AIで稼ぐ時に怖かった「最後の10%」は、どこまで小さくなるのか

AI活用

※この記事は2026年9月時点の考えの変化を記したものです。AIを使って顧客向けサービスを受注・提供し、トラブル対応まで完了した実績について書く記事ではありません。

以前、「AIで稼ぎたいのに動けない理由は、スキル不足ではなく責任の重さだった」と書きました。その後、AI講座の課題でも、サービスとしてどこまで引き受けるかを決める難しさにぶつかりました。

AIと一緒に何かを作ることは、前よりずっと身近になった。でも、それを他人に使ってもらうとなると、急に足が止まる。自分用のツールなら、壊れても自分で困るだけです。お金をもらって提供するなら、そうはいきません。

先日、AIの進化と使い方についての動画を見ながら、そこに少し考えの変化がありました。AIに任せられる作業がさらに増えていくなら、自分が怖がっていた「作った後」の負担も、いつまでも同じ大きさとは限らないのではないか。

もちろん、動画が「AIを使えば提供者の責任は消える」と証明したわけではありません。ここから先は、動画をきっかけに考えた自分の仮説です。

怖かったのは、作れないことよりトラブルの後だった

仮に、AIを使って小さなサービスを作り、誰かから依頼を引き受けたとします。

普段は問題なく動いていても、ある日トラブルが起きたら、相手は当然聞くはずです。

「何が起きたんですか」
「なぜそうなったんですか」
「いつ直りますか」
「また起きませんか」

その時、AIに「直して」と頼んで、動くようになったから終わり、とは言えません。原因を追い、影響を確認し、対策を考え、相手が分かるように説明する必要があります。

自分が引っかかっていたのは、ここでした。

自分用のツールをAIと作った時も、動作テストが通ることと、出力を人が見て理解できることは別だと感じました。別のツールでは、判断の理由を後から追えないことが気になり、実践投入の前に立ち止まったこともあります。自分用なら、そこで試し直せばいい。でも誰かへ提供するなら、「なぜこの結果になったのか」と聞かれた時に答えられないままでは困ります。

作業の大部分をAIで進められたとしても、最後に自分では説明も修正もできない問題が出たらどうするのか。以前の自分には、その可能性だけで外向けの仕事を引き受けるのがかなり重く感じられました。

「90%できる」の残り10%が怖い

「90%はAIで解決できても、残り10%はどうするのか」。これは測定した割合ではなく、自分が感じていた不安のたとえです。

簡単な部分を速く作れても、難しい例外だけが人間側へ残るなら、引き受けるハードルはあまり下がらないかもしれません。しかも、その例外は問題が起きるまで何なのか分からない。

AIで作れるものが増えたことと、自分が最後まで面倒を見られることは別です。だから以前は、まず自分用に試し、責任範囲の小さいものから始めたいと考えました。その判断は、今でも間違っていなかったと思います。

ただ、その「残り10%」を調べ、直し、確かめる手段もAI側に増えていくなら、話は少し変わります。

AIが調査と修正まで助けるなら、引き受けられる範囲は変わるかもしれない

トラブルが起きた時、AIがコードを書き換えるだけでなく、記録を読み、再現条件を探し、原因の候補を分け、修正案を作り、直ったかどうかを確認する。さらに、相手に説明するための材料まで整理できるようになる。

そうした流れを信頼できる形で回せるなら、自分一人では怖くて抱えられなかった仕事にも、手が届く可能性があります。

ここは「もうできる」と言いたいわけではありません。自分は、顧客のトラブルをAIだけで解決して納品した経験を持っていません。AIの能力が上がれば、どんな障害も必ず解決できる、とも思いません。

それでも、自分にとっては大きな見方の変化です。以前は、作る工程だけ速くなっても、後から背負う問題は自分のままだと思っていた。今は、調査・修正・検証まで助けてもらえる範囲が広がれば、その負担も小さくできるのではないかと考え始めています。

解決できることと、説明を引き受けることは分けておきたい

ただし、AIが原因を見つけ、修正案を出したとしても、それだけで依頼者への責任がなくなるわけではありません。

どこに影響が出たのか。
提示された原因は記録と合っているのか。
修正後に何を確認したのか。
まだ分かっていないことは何か。

少なくとも、こうした点を自分で確認し、分からない部分を分からないと伝える必要があります。AIが書いた説明をそのまま相手へ渡し、後から違っていた、では困ります。

責任を全部AIへ移すというより、責任を果たすために必要な調査や対策を、AIと一緒に進められるようになる。自分が期待しているのは、その変化です。

自分が試すなら、まずは小さく区切る

将来、小さなサービスを外へ出すとしても、いきなり「何でも直せます」とは言いたくありません。

何を提供するのか。どこまで対応するのか。問題が起きた時に確認できる記録はあるか。修正できなければ止めたり、元に戻したりできるか。

最初に考えたいのは、そのあたりです。自分が説明できる範囲から始め、AIの助けで対応できる範囲が実際に広がるかを確かめる。そこで初めて、任せられる仕事の大きさを考え直せると思います。

AIを使う腕や、自分に何が作れるかを考える発想力も、もちろん必要です。でも、自分にとって最大の壁だったのは「売れるものを思いつくか」以前に、「困った時まで引き受けられるか」でした。

責任が消えるのではなく、挑戦できる境界が動くのかもしれない

以前の自分は、最後に自分だけでは解決できない問題が来ると思うと、なかなか動けませんでした。今も、その心配がなくなったわけではありません。

ただ、AIが作るだけでなく、調べ、直し、確かめるところまで強くなるなら、「自分には最後まで面倒を見られない」と決めつけていた境界は動くかもしれない。

その時に考えるべきことは、「AIがいるから責任はもうない」ではなく、AIと一緒なら、どの範囲まで責任を持って提供できるのかだと思います。

まだ答えは出ていません。まずは自分の小さな試作で、意図的に不具合を起こし、記録から原因を追って修正し、その経緯を自分の言葉で説明できるか試してみたいです。そこでできたことと、まだ人に提供できない部分を分けて考えます。

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参考・出典

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