※この記事は、2026年8月に自分のローカル環境でAI動画制作を試した記録です。生成モデルや制作環境によって挙動は変わるため、今回の素材と設定で起きたこととして書いています。
最近、ローカル環境で短いAI動画を作っています。
最初は、ある程度まとまった動きを生成し、使える部分を編集でつなげようとしていました。
ただ、複数のキャラクターが歩く、近づく、触れる、反応するといった動きを続けて任せると、途中の失敗が後ろまで響きます。
そこで、動きを数秒以下の短いカットへ分けるようにしました。
ひとつのカットでは、ひとつの動きだけを扱う。
これで、どこが失敗したのかはかなり追いやすくなりました。
ところが、今度は別の問題が出ました。
カットを細かく分けるほど、生成を始めるための操作が増えます。
失敗を小さくするために分けたのに、人間が一つずつ同じ操作を繰り返すのは、さすがに面倒です。
そこで今回は、6本の短いカットを1回の操作でまとめて投入してみました。
結果として分かったのは、操作はまとめても、失敗の単位までまとめる必要はないということでした。
小さく分けると、今度は人間の操作が増えた
以前、自動化は大きな仕組みを一度に作るより、小さい部品から育てた方が扱いやすいと書きました。
AI動画でも、考え方は似ています。
長い動きを一気に作るのではなく、接近する、止まる、前足を上げる、といった単位に分ける。
こうしておけば、歩き方がおかしくても、問題のあるカットだけを確認できます。
ただし、処理単位を小さくすると、その数だけ生成操作も必要になります。
入力を選ぶ。
プロンプトを渡す。
生成を開始する。
出力先を確認する。
完成した候補を見る。
これを毎回手で繰り返していると、細かく分けた利点とは別のところで時間を使います。
小さく分ける設計は残したい。
でも、同じ操作は減らしたい。
今回試したのは、この二つを両立させる方法でした。
6本を一度に投入したが、1本の長い生成には戻さなかった
今回対象にしたのは、6本の短い動画カットです。
6本をひとつの長い動画として生成したわけではありません。
1回の操作で6件をキューへ入れ、内部では1本ずつ順番に処理する形にしました。
自分の環境では、6件が同時にGPUへ載るのではなく、直列に処理されました。
合計は88フレーム、24fpsで約3.67秒分です。
大事なのは、各カットの入力と出力を独立させたことです。
前の生成結果を、次のカットの参照画像には使っていません。
それぞれが別の入力から始まり、別の動画として保存され、合否も1本ずつ判断できます。
人間から見ると、開始操作は1回です。
しかしAI側の仕事は、6本の独立した小さな処理のままです。
6本すべてが成功したわけではない
結果は、きれいに全件成功とはなりませんでした。
- 採用できるものが2本
- 短い移行カットなど、条件を限定すれば使えそうなものが2本
- 最終版には使えないものが2本
不採用にした2本では、歩いているはずの動きが、浮いたり跳ねたりして見えました。
移動自体はしています。
ただ、足が地面を捉えて歩いているようには見えませんでした。
以前なら、ここで6本まとめて失敗したような気分になっていたかもしれません。
しかし今回は、問題のある2本がはっきり分かれています。
残りの4本まで作り直す必要はありません。
全件成功ではなかったからこそ、処理を独立させた意味がよく分かりました。
失敗した2本だけを戻せる方が大きかった
AI処理をまとめる時に怖いのは、途中の結果が後ろへ混ざることです。
たとえば、1本目の生成結果を2本目の入力へ使い、2本目を3本目へ渡すようにつなげるとします。
最初の方で姿勢や色、位置がずれると、そのずれを後続の処理が引き継ぐ可能性があります。
最後まで生成できても、どこから直せばよいのか分かりにくくなります。
今回は、前の生成物を次へ渡さない形にしました。
そのため、2本が不採用でも、残り4本の結果はそのまま残せます。
やり直すのは、失敗した2本の入力だけです。
まとめて処理したことで楽になったのは、単純な生成速度というより、同じ開始操作を何度も繰り返さずに済んだことでした。
そして、独立させたことで守れたのは、成功済みの結果と、失敗原因を追える状態です。
プロンプトを増やすより、間違った入力を直す方がよかった
不採用になった歩行カットでは、文章の指示を細かくすれば直るのではないかとも考えました。
ただ、今回の方式では、動きの元になる制御の影響が強く出ていました。
元の動きが浮いているなら、AIはその浮いた動きをかなり素直に再現します。
そこでプロンプトへ「地面に足をつける」「自然に歩く」と足しても、根本の動きは大きく変わりませんでした。
これは、AIの理解が足りないというより、こちらが渡した制御の方に問題があると見た方がよさそうです。
次に直すべきなのは、採用できた4本ではありません。
不採用になった2本の、足が地面につく動きの作り方です。
処理を分けていたため、原因と修正対象をここまで絞れました。
操作はまとめても、四つは分けておきたい
今回の結果から、まとめて処理する時でも、少なくとも次の四つは分けておきたいと思いました。
入力
各処理が、承認済みの独立した素材から始まるようにする。
前の生成結果を自動で次へ渡す場合は、本当に連鎖が必要かを先に考える。
出力
どの入力から何が作られたか、1件ずつ追える名前と保存先にする。
合否
6本まとめて成功、失敗と判断せず、1本ずつ採用、条件付き採用、不採用を決める。
再試行
不採用になった処理だけを戻せるようにする。
成功済みの結果まで、同じ理由で作り直さない。
一括処理という言葉からは、全部をひとつの塊にする印象があります。
でも、実際にまとめたかったのは、人間の操作回数だけでした。
小さく分けた後に、操作だけをまとめる
これまで自分は、AIへ渡す仕事を小さく分けることを重視してきました。
今回の話は、その次の段階です。
仕事を小さく分けた後、同じ操作が増えすぎたら、操作だけをまとめる。
ただし、入力、出力、合否、再試行の境界は消さない。
この形なら、人間の手間を減らしながら、AIの失敗まで大きな塊にせずに済みます。
動画生成だけでなく、複数の画像を処理する時や、独立した資料を順番に確認してもらう時にも使える考え方だと思います。
ただし、前の結果を受けて次を作る必要がある作業には、そのまま当てはまりません。
独立して処理できる仕事かどうかを先に見た上で使う必要があります。
まとめ
6本の短いAI動画を、1回の操作でまとめて生成キューへ入れました。
結果は、採用2本、条件付き採用2本、不採用2本でした。
全件成功ではありません。
それでも、各処理を独立させていたため、不採用の2本だけを作り直せます。
今回まとめてよかったのは、人間の開始操作でした。
まとめない方がよかったのは、入力、出力、合否、失敗の単位です。
AIへ渡す仕事を小さく切る。
そのうえで、繰り返し操作だけをまとめる。
この順番なら、楽をするための一括処理が、失敗まで大きくすることを避けられそうです。
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