※この記事は、2026年8月に自分がAI動画生成を試した時の実運用メモです。特定の生成AIが常に同じ動きをするという話ではなく、今回の入力と生成結果から考えたことを書いています。
最近、複数のマスコットを使った短いAI動画を試しています。
その中で、2体の大きさを揃える必要がありました。
片方を基準の100とした時、もう片方は90くらいにしたい。
制作側では、この比率を管理用のメモとして持っていました。
そこで生成プロンプトにも、片方は100、もう片方は90という数値を入れました。
大きさの違いを具体的に伝えたつもりでした。
ところが、生成された動画を見ると、キャラクターの上に「90」と「100」が表示されていました。
いや、そこまで描いてほしいとは言っていない。
最初は少し笑ってしまいましたが、見直すとAIが勝手に数字を作ったわけではありません。
自分が渡した数字を、こちらの想定とは違う形で映像へ入れた結果でした。
数字は間違っていなかった
以前、AIに反省ログを整理してもらった時、数字と単位だけは人間が確認した方がよいと書きました。
音声認識や要約の途中で数字を取り違えると、そこから出てくる結論まで変わってしまうからです。
今回も数字に関する失敗ですが、問題は少し違います。
90と100という数字自体は合っていました。
入力ミスでもありません。
生成AIが90を100へ書き換えたわけでもありません。
問題だったのは、その正しい数字をどこへ書いたかでした。
自分にとっては、キャラクターの大きさを管理するための補助情報です。
しかし生成AIへ渡した文章の中では、映像に含める候補のひとつとして読まれた可能性があります。
人間なら、
「これは制作メモで、画面には出さない数字だな」
と何となく区別するかもしれません。
ただ、AI側がこちらの管理ルールまで勝手に理解してくれるとは限りません。
画面へ出す内容と、制作側だけが見る情報を同じ文章へ入れたことで、境界が曖昧になっていました。
一つのプロンプトに全部入れる方が親切だと思っていた
これまでAIへ指示する時は、情報が足りないより、多めに渡した方がよいと考えることがありました。
登場するもの。
動かし方。
大きさ。
位置関係。
やってほしくないこと。
参考にする設定。
こうした条件を一つのプロンプトへまとめれば、AIも判断しやすいと思っていました。
実際、前提が足りなければ一般的な結果になりやすいので、必要な情報を渡すこと自体は大事です。
ただし、必要な情報を全部同じ場所へ書くこととは別でした。
今回のプロンプトには、少なくとも二種類の情報が混ざっていました。
ひとつは、画面で表現してほしい内容です。
もうひとつは、制作工程で大きさを揃えるための管理情報です。
人間側では用途が違っていても、モデルへは同じ文章として渡しています。
その状態で、数字だけ都合よく内部メモとして扱ってもらおうとしたのが無理だったのだと思います。
モデルへ渡す言葉と、外に残す管理情報を分ける
次からは、大きさの関係をモデル向けの言葉へ変えることにしました。
たとえば、
「AはBより少し大きい」
「2体の大きさの差は小さくする」
「Aを基準に、Bをわずかに小さく見せる」
といった形です。
生成AIには、画面でどう見えてほしいかを渡します。
一方、100対90という正確な比率は、モデルへ読ませる文章から外します。
こちらは制作側の管理カードへ残します。
そして、比率を本当に厳密に守る必要があるなら、生成後の配置や大きさを別の工程で調整します。
今の自分の中では、次の三つに分けるイメージです。
- 生成AIへは、見た目の関係を自然な言葉で伝える
- 正確な数値や管理ラベルは、外部の管理カードに残す
- 厳密さが必要な部分は、生成後の配置や機械的な処理で合わせる
AIへ数字を渡してはいけない、という話ではありません。
数値を入力欄や設定値として受け取る仕組みもあります。
文章生成でも、料金や日付など、数字そのものを扱わせたい場面はあります。
大事なのは、その数字を出力内容として扱ってほしいのか、制御情報として使ってほしいのかを分けることです。
今回は、制御情報を映像生成用の文章へそのまま混ぜたため、数字まで映像内容になりました。
AIに渡す情報は、量より経路も大事だった
この失敗は、AI動画に限らないと思います。
文章を作る時に、内部用の評価ラベルを本文と一緒に渡せば、そのラベルが文章へ混ざることがあります。
表を整えてもらう時に、管理番号や確認用の注釈まで同じデータへ入れれば、読者向けの表へ残るかもしれません。
ブログ記事でも、SEO用のキーワード一覧と本文の材料を区別せず渡すと、不自然に同じ言葉が繰り返されることがあります。
AIエージェントへ作業を任せる時も、内部ステータス、確認用コメント、最終的に人へ見せる文章を一つにすると、どこまで出力してよいのか曖昧になります。
これまでは、AIへ十分なコンテキストを渡すことをよく考えてきました。
何も渡さなければ、AIは自分の環境を知りません。
だから前提、目的、素材、ルールを渡す。
この考え方は今も変わりません。
ただ、渡す量を増やした後には、渡す経路を分ける必要も出てきました。
画面や文章へ出してほしい情報。
判断の参考にしてほしい情報。
制作側だけが持つ管理情報。
機械的な制御へ使う数値。
全部必要でも、全部を同じプロンプトへ書く必要はありません。
「正しく渡したか」だけでなく「正しい場所へ渡したか」を見る
今回の動画は、目的の動きも十分には作れず、不採用にしました。
ただ、画面に出た「90」と「100」は、今後の運用を変えるには分かりやすい失敗でした。
数値が間違っていないことを確認しても、それだけでは足りません。
その数字は、AIに生成してほしい内容なのか。
判断材料として読ませたいのか。
外部の管理表へ残すものなのか。
別の制御工程へ渡すものなのか。
同じ情報でも、置く場所によって意味が変わります。
AIへ前提を渡す時、これからは「何を渡したか」だけでなく、「どの経路へ渡したか」も確認したいと思います。
管理用の90と100を、次は画面の中ではなく、制作側のメモにだけ置いておきます。
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