※2026年10月の、個人的なゲーム制作の記録です。音楽制作や素材の扱いは、使う方法や素材によって条件が変わります。ここでは、自分が試作を聴いて考えたことを中心に書いています。
最近、AIと一緒にゲームを作っています。
ゲームを進める中で、場所によって背景や雰囲気が変わるなら、流れるBGMも変えたいと思いました。
同じ曲がずっと流れるより、場所ごとに違う音楽がある方が、進んでいる感じも出そうです。
そこで、AIにBGMの試作を用意してもらいました。地域や場面に合わせて、たくさんのバリエーションを作る。
数だけ見れば、かなり揃っています。
でも、聴いてみた自分の感想は、こうでした。
「全部似た感じ」
曲が足りなかったわけではありません。むしろ、たくさんありました。
それでも、自分が欲しかった「場所が変わったと感じる違い」は、あまり出ていなかったんです。
数が揃ったら、それで雰囲気も変わると思っていた
自分が最初に考えていたのは、場所や進行に合わせて、BGMを切り替えることでした。
背景が変わる。出てくる相手も変わる。それなら、音楽も変わった方が雰囲気が出るだろうと。
AIには、そのための音のバリエーションを用意してもらいました。最初の試作は、合成音の旋律やリズムなどを変えて作ったものです。
たくさんの組み合わせを作れるのは、素直に助かります。自分一人で一つずつ用意しようと思ったら、そこで手が止まっていたかもしれません。
ただ、実際に聴き比べると、自分には全体的に似た印象でした。
もちろん、音の組み合わせは変わっています。全部が同じ音だったと言いたいわけではありません。
でも、自分が期待していたのは、「別のパターンが流れている」と分かることだけではなかった。
場所が変わったときに、音楽からも違う雰囲気を感じたい。
その感覚までは、曲数を増やしただけでは届いていませんでした。
「全部似ている」と伝えて、方向を変えた
そこで、自分は「全部似た感じ」と伝えました。
最初から、どの楽器を何に変えて、どの旋律をどうしてほしい、と細かく説明できたわけではありません。
でも、聴いてみたからこそ、少なくとも今の方向では欲しい違いが出ていない、と言えました。
その後は、同じような合成音をたくさん変奏する方向ではなく、別々に作曲された曲を地域ごとに選ぶ方向に変えました。
最初にいくつかの地域向けの候補を聴き、その方向でよさそうだと感じたので、ほかの地域へも候補を広げてもらいました。
地域別に違う曲が用意されたものは、自分としてはかなり良いと感じています。
ここで一つ、分けておきたいことがあります。
後から選んだ楽曲を、全部AIが作曲したわけではありません。既存の楽曲を候補として選び、試聴できるようにしたものです。
「AIだけで大量に作曲して、全部解決した」という話ではなく、AIと一緒に進める中で、作り方や探し方を変えた話です。
欲しかったのは、別の曲ではなく「違う場所」だった
今回面白かったのは、自分でも最初から欲しいものをきれいに説明できていたわけではないことです。
「地域ごとにBGMを変えたい」とは思っていました。
でも、その言葉だけだと、曲を切り替えられるようにして、パターンを増やせば一応達成できます。
実際、自分も最初はそれで雰囲気が変わるだろうと思っていました。
ところが、聴いてみると違った。
自分が欲しかったのは、単に別の音が流れることではなく、その場所に来た感じが音楽からも伝わることでした。
同じような雰囲気の曲が百種類あっても、全部が悪いわけではありません。場面によっては、その統一感の方が合うこともあると思います。
でも今回の自分は、地域ごとの違いをもっと感じたかった。だから、似ていると感じた試作を増やし続けるより、別の方向の曲を選ぶ方がしっくりきました。
AIに「もっと増やして」と言う前に
AIに頼むと、候補の数を増やすことは以前よりずっとやりやすくなります。
今回も、まず数を揃えるところまでは進められました。それ自体は、AIと一緒に作っているからこそ試せたことだと思っています。
ただ、数が増えた後で気づいたのは、自分が何の違いを求めていたのかでした。
候補が少ないのが問題なのか。
それとも、候補は十分にあるけれど、どれも同じ方向に寄っているのか。
この二つは、次に頼むことが変わります。
前者なら、もっと候補を増やせばよいかもしれません。後者なら、増やす前に方向を変えた方がよいかもしれない。
今回の自分は後者でした。
最初から正解を説明できなくても、実物を見たり聴いたりすると、「何か違う」からもう少し先へ進める。その違和感をAIに返して、次の候補を考えてもらうことにも意味がありました。
素材の権利は、別に確認が必要
今回は既存の楽曲を候補に使ったので、曲の作者や配布元、利用条件も確認が必要になります。
試作で聴けたことと、完成した作品にそのまま使えることは別です。公開先や使い方によっても条件は変わり得るので、採用前にそれぞれ確認しなければいけません。
また、地域ごとの候補が増えたからといって、ゲーム本体への組み込みや、すべての曲の最終採用まで終わったわけではありません。今は、方向性を決めながら試している段階です。
たくさん作れるからこそ、欲しい違いを考える
AIを使うと、以前なら数を揃えるだけで大変だった作業にも手が届きます。
でも、たくさん作れたことと、欲しかったものが揃ったことは同じではありませんでした。
今回のBGMでは、「全部似た感じ」という自分の感想が、次の方向を考えるきっかけになりました。
最初の試作が無駄だったとも思っていません。あれを聴いたから、自分が欲しかったのは曲数ではなく、場所ごとの違いだったと分かったからです。
AIが出した候補を見たり聴いたりして、違和感を返す。そして、必要なら数ではなく、作り方や探し方から変える。
ゲーム制作はまだ途中ですが、今回はそんな進め方ができたと思っています。
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