図面写真をAIに見せて、CADの仕事もAIの対象になっていると感じた

AI活用

AIに図面の写真を見せて、気になるところを確認させてみました。

結果から言うと、ヒントなしで、こちらが気にしていた不整合を見つけてくれたわけではありません。ただ、それで「まだ使えない」と片づけるのも、少し違う気がしました。雑に撮った写真でも、見る場所や考える方向を伝えると、それらしい回答が返ってきたからです。さらに調べてみると、図面の確認を業務として支援する専用AIも、すでに出ていました。

今回は、この小さな試験から感じた「CAD周辺の仕事も、AIの対象になっている」という話です。

※製品情報は2026年10月2日に確認した公開情報をもとにしています。専用製品を自分で使って比較した記事ではありません。

雑な写真でも、ヒントを出すと図面の話が通じた

今回使ったのは、整ったCADデータではなく、紙の図面を撮った写真です。精度を測るために用意した試験でもありません。

最初はAIに気になるところを探してもらいましたが、こちらが確認したかった箇所は挙がりませんでした。そこで見る場所を絞り、追加でヒントを出していくと、気になる箇所に関連する回答へ近づいていきました。

もちろん、これはヒントなしで見抜けた場合とは違います。図面を正しく理解したのか、人間の指摘に合わせて説明したのかも、今回だけでは切り分けられません。

それでも、少し驚きました。

きれいに整えたデータでなくても、写真から図面についてやり取りする入口には立てた。

自分で問題を見つける検査員としては、まだ期待どおりではありません。ただ、こちらが疑問を持っている箇所を一緒に確認する相手になる可能性は感じました。

専用AIでは、検図がすでに業務の対象になっていた

この体験をきっかけに調べてみると、図面に書かれた寸法や指示を確認する「検図」を支援するAIがありました。

例えば、システムインテグレータの「KENZ」は、寸法の抜け、部品表と図面の整合性、公差などのチェックを紹介しています。公式ページには、防災機器メーカーで検図時間を半分以下に短縮できるという検証結果や、プラント設備業で独自規格を学習させ、90%以上の検出精度を達成した事例も掲載されています。KENZ公式

ただし、これはメーカーが公表している個別の検証事例です。「どんな図面でも90%以上見つかる」という意味ではなく、自分が試した図面に当てはまるかも分かりません。

フィーチャの「Drawing-AI」も、金型図面の寸法や加工指示、注記の抜けをチェックする機能を発表しています。ただし、2025年9月29日の発表で紹介された該当機能はDXFファイルの入力が前提で、写真をそのまま見せた今回の試験とは入力条件が違います。Drawing-AIの企業発表

海外では、CoLabの「AutoReview」が、図面の寸法・公差の不一致や、3D形状との整合性などを確認する機能を紹介しています。AutoReview公式

気になったのは、これらが単に「AIが図面を説明できる」という段階ではないことです。

確認に時間がかかる、記入漏れがある、別の資料と食い違う。そうした仕事上の問題に対して、AIを使う製品が出てきている。

自分の小さな試験だけで実用性は判断できません。それでも、図面の確認がAIの業務対象になっていることは、もう将来の想像だけの話ではありませんでした。

CADを全部任せるより、確認作業から入ってくるのかもしれない

CADとAIというと、形状を伝えたら設計まで全部仕上げてくれる姿を想像しがちです。

ただ、今回自分が頼みたかったのは、そこまで大きなことではありません。この図面の指定は食い違っていないか。製作に進む前に、確認したほうがいい場所はないか。そういうところを先に拾ってほしかっただけです。

設計を丸ごと任せなくても、確認対象を絞れれば、問い合わせや手戻りを減らす助けにはなりそうです。もちろん、見逃しや誤指摘が多ければ、かえって確認の手間が増えることもあります。現場で役に立つかは、実際の図面とチェック項目に合わせて確かめる必要があります。

図面には機密情報が含まれることもあるので、実際に使う際は、社内の利用ルールや送信先の扱いを確認する必要もあります。

それでも、「全部できるか、できないか」の二択で見ていると、その間にある変化を見落としそうだと思いました。

将来は、現場で写真から比較できるようになるかもしれない

今回のやり取りを見て、将来は現場で図面を撮り、手軽に比較する使い方も広がるのではないかと思いました。例えば、手元の図面と別の版の図面を見せて、変更された箇所や確認すべき違いを挙げてもらう使い方です。

ただ、これは今後への期待です。今回、複数の図面を写真だけで正確に比較できたわけではありません。撮影状態、細かい文字の読み取り、図面同士の対応付けなど、確かめることは残っています。

自分の試験は、ヒント付きで関連する回答が返ってきた程度で、業務を任せられると判断したわけでもありません。それでも、その小さな手応えと専用製品の存在を合わせると、図面を読み、照合し、気になるところを挙げる作業にAIが近づいてきている。CAD周辺の仕事も、AIと無関係ではなくなっていると感じます。

図面を全部描かせる話だけでなく、図面を確認する仕事がどう変わるのか。自分としては、そちらも追っていきたいところです。

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