※この記事は、2026年9月時点の自分のAI利用メモです。特定の会社や記事を詐欺と断定するものではなく、個別銘柄の売買を勧めるものでもありません。
少し前に、「今がお買い得」とかなり強く勧めてくる株の記事を見かけました。
価格だけを見ると、100株でもそれほど高くありません。
一瞬、「このくらいなら試しに買ってもいいのでは」と思いました。
ただ、値動きを見た瞬間に引っかかりました。
少し前までかなり高かった株価が、大きく下がっている。
その後に上がってきたところで、「今が最後のチャンス」のような言葉が並んでいる。
安いというより、なんじゃこりゃ、という感じでした。
そこでAIに記事と会社情報を調べてもらいました。
返ってきた答えは、かなり危険寄りのものでした。
その時は「やっぱり怪しかったのか」と思いましたが、少し考えると、AIの結論をそのまま信じるのも違います。
広告記事を信用できないと思ってAIへ聞いたのに、今度はAIの断定を丸ごと信用する。それでは、信用する相手が入れ替わっただけです。
今回役に立ったのは、AIが「危険」と言ったことではありませんでした。
記事のどこが矛盾しているのか。何を公式情報で確認できないのか。何が書かれていないのか。
そこを具体的な確認項目にしてくれたことでした。
強い結論より、まず記事の中で数字が合っているかを見る
広告記事には、いくつもの数字が並んでいました。
現在の価格。
将来何倍になるという予測。
目標とされる価格。
ところが、AIに数字同士を並べてもらうと、倍率と目標価格がうまくつながらない部分が出てきました。
もちろん、記事の書き方が単に雑だった可能性もあります。
計算の前提が別の場所に書かれていた可能性もあります。
ただ、「数倍になる」と「目標価格はいくら」が同じ記事内で整合していないなら、少なくともそのまま信じて進む理由はありません。
ここはAIが使いやすいところでした。
文章の勢いに乗らず、記事内に出てくる数字を抜き出し、計算が合うかを確認する。
自分で読んでいると、派手な結論や会社名に目を取られます。
AIには先に結論を聞くより、
- 記事内の数値を一覧にする
- 数値同士の関係を計算する
- 前提が書かれていない数字を分ける
- 同じ記事内で食い違う箇所を示す
と頼んだ方が、かなり冷静に読めます。
有名企業との提携は、広告記事ではなく当事者の発表へ戻る
その記事には、有名企業との関係を強く感じさせる表現もありました。
こういう名前が出ると、それだけで急に信頼できそうに見えます。
しかし、本当に提携しているなら、どこで発表されているのでしょうか。
記事の中に書かれていることと、その会社自身が発表したことは別です。
そこでAIには、記事の主張ごとに確認先を分けてもらいました。
- 対象会社の公式サイトやIR
- 相手企業側の公式発表
- 取引所の適時開示情報
- 証券会社など、記事が根拠として示した資料
上場会社の重要な開示は、日本取引所グループの適時開示情報閲覧サービスでも確認できます。
大事なのは、「検索して見つからなかったから嘘」と即断しないことです。
表現が違うかもしれません。
発表時期が古いかもしれません。
AIや検索が見落としている可能性もあります。
そのため、自分の中では次の三つに分ける方がよさそうでした。
- 公式発表で確認できた
- 記事には書かれているが、公式発表はまだ確認できない
- AIが推測しただけで、記事にも公式情報にも根拠がない
「確認できない」と「存在しない」を同じにしない。
ここは、AIに調査を頼む時ほど必要だと思います。
記事に書いてあることより、書いていないことを探す
今回、もう一つ気になったのは、強気な材料はたくさん並んでいるのに、不利な材料がほとんど見えなかったことです。
将来性。
成長分野との関係。
有名企業の名前。
何倍になるという予測。
こうした話だけが続くと、読んでいる側は「買わない理由がない」ように感じます。
でも、投資判断に必要なのは、上がる理由だけではありません。
財務状態に問題はないか。
株式の希薄化につながる予定はないか。
上場を維持するための条件は満たせているか。
事業の期待が、実際の売上や利益へつながっているか。
記事の筆者や運営者に、対象株を保有しているなどの利害関係はないか。
こうした情報が記事にない場合、それだけで危険だと断定はできません。
しかし、強い買い煽りを判断材料にするなら、反対側の材料も自分で探す必要があります。
AIへは「この記事は正しいですか」と聞くより、この記事の印象を大きく変える可能性があるのに、本文で触れられていない情報は何ですかと聞く方が役に立ちました。
AIの調査結果にも、もう一度チェックが要る
ここまで見ると、AIへ全部調べてもらえば安心に見えます。
ただ、AIも普通に間違えます。
存在しないURLを出すことがあります。
別の会社の情報を混ぜることがあります。
古い情報を現在の状態として扱うこともあります。
検索結果の見出しだけから、本文より強い結論を作ることもあります。
今回も、AIが出した企業情報、数字、URLを、そのまま公開記事の事実として使うことはできません。
だから、AIの調査結果にもラベルが必要です。
- 記事に書かれていた主張
- 公式情報で確認できた事実
- AIによる解釈や推測
- まだ確認できていないこと
この四つを混ぜないだけでも、回答の見え方はかなり変わります。
AIに「危険です」と言われると、何となく調査が終わった気になります。
でも本当に欲しいのは、その結論ではありません。
自分でも確認できる形に分解された材料です。
次に使うなら、こう聞くと思う
今回の経験を踏まえると、次に似た記事を見た時は、AIへ次のように頼むと思います。
この記事を、買う・買わないの結論を出さずに点検してください。
1. 記事内の数値を抜き出し、倍率や目標値が整合しているか確認する
2. 提携、契約、業績予測などの主張ごとに、確認すべき一次情報を示す
3. 公式情報で確認できたことと、確認できなかったことを分ける
4. 記事の印象を変える可能性があるのに、省略されている不利情報を挙げる
5. 記事の主張、公式情報、AIの推測、未確認情報を別々に表示する
6. 最後に、自分で開いて確認すべきURLと確認日を一覧にする
確認できないことを、推測で埋めないでください。
これなら、AIに売買判断を背負わせず、調べる順番を作ってもらえます。
AIの結論へ従うのではなく、AIを記事の監査補助として使う形です。
公的機関の注意喚起も、最後に確認する
投資や副業をうたう広告については、金融庁や消費者庁も注意喚起を出しています。
ただし、公的機関の注意喚起に似ているからといって、目の前の記事を自分で詐欺と断定してよいわけではありません。
不安がある時は、広告から誘導された相手へ追加でお金を送る前に、公式情報や公的な相談窓口へ戻る。
被害が疑われる場合は、AIとの会話だけで終わらせず、金融庁、消費生活センター、警察などへ相談する。
ここはAIで置き換えるところではないと思います。
まとめ
怪しい広告記事を見た時、AIに「これは危険ですか」と聞くと、分かりやすい結論が返ってきます。
ただ、その答えを丸ごと信用すると、広告記事の代わりにAIへ判断を預けただけになってしまいます。
今回役に立ったのは、危険という判定ではありませんでした。
記事内の数字が合っているか。
提携などの主張を公式発表で確認できるか。
不利な情報が省略されていないか。
AI自身の推測が混ざっていないか。
こうした確認項目へ分けてもらったことです。
AIには、記事の白黒を決めてもらうより、自分が確認できる矛盾点と出典を並べてもらう。
その上で、公式情報を開き、最後の判断は自分で行う。
怪しい記事を見分けるためにAIを使うなら、今の自分にはこの距離感がちょうどよさそうです。
参考情報
- 金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」(確認日: 2026年9月5日)
- 消費者庁「SNSなどを通じた投資や副業といった『もうけ話』にご注意ください!」(確認日: 2026年9月5日)
- 日本取引所グループ「適時開示情報閲覧サービス」(確認日: 2026年9月5日)
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