※この記事は、2026年9月時点の個人的な運用メモです。専門的な教育、法令、安全手順の代わりになるものではありません。
最近、仕事に関係する講習の資料を読む機会がありました。
必要な情報は、たくさん書かれていました。けれど、読んだだけでは「自分が実際にどの場面で、何を意識すればいいのか」まで、すぐにはつながりませんでした。
大事そうな言葉はある。注意事項もある。でも、その言葉が自分の作業のどこに関係するのかは、自分で頭の中を往復しながら考える必要がありました。
この感覚は、AIに説明資料を作ってもらう時にも近い気がします。
AIに「分かりやすくして」と頼めば、文章は整います。見出しも付きます。言い換えもできます。ただ、AIは元の資料を読んで、どこで人がつまずいたかまでは勝手に分かりません。
だから最近は、資料をAIに渡す前に、自分が迷った場所を残しておく方が大事なのではないかと思うようになりました。
「分かりやすい」は、人によって違う
資料が分かりにくいと感じた時、最初は「もっと簡単な言葉にすればいい」と考えがちです。もちろん、難しい言葉を言い換えることは役に立ちます。
でも、今回自分が引っかかったのは、言葉の難しさだけではありませんでした。
- 説明は読めたが、自分の作業のどの場面に当てはめればいいか分からない
- 注意点は分かったが、何を見れば確認できるのかが浮かばない
- 全体の説明はあるが、初めての人がどこで誤解しそうかが見えない
- 経験者には当たり前でも、初心者には前提が抜けている
ここで必要なのは、文章を短くすることだけではなさそうです。誰が、どの場面で、何を知らないまま読むのか。その前提がないと、AIは整った一般論を返してくれても、読む人の次の行動までは支えにくいと思います。
自分が迷った場所は、AIに渡すための材料になる
資料を読んでいて引っかかったところは、単なる理解不足として流してしまいがちです。でも、そこで何が分からなかったのかを残しておくと、AIへ資料づくりを頼む時の材料になります。
- 読んでも場面を想像できなかった言葉
- どの順番で考えればいいか迷った箇所
- 初めて読む人にも前提として説明が必要そうな部分
- 知識としては読めたが、確認行動につながらなかった部分
- 元の資料だけでは判断できず、詳しい人へ確認したい部分
これがあると、「分かりやすくして」という曖昧な依頼が少し変わります。
初めて読む人が、この3つの場面で迷わないように整理してください。元の資料だけでは判断できない点は、推測で補わず確認事項として残してください。
この方が、AIに任せる範囲と、人間が確認すべき範囲を分けやすくなりそうです。
文章の正しさと、行動できることは別だった
以前、AIに作らせたツールで、処理自体は動いていても、人が結果を見て意味を読み取れないことがありました。今回の資料でも、少し似た感覚がありました。
説明が正しいことと、読む人が自分の場面に置き換えられることは別です。
画面の表示なら、「どの数字を見ればいいか」「次に何を選ぶか」が分かる形にする必要があります。説明資料なら、「自分のどの場面に関係するか」「何を確認すればいいか」が見える形にする必要があります。
- 初めて読む人が、前提を知らなくても意味を取れるか
- 自分の場面に置き換える手がかりがあるか
- 分からないことを、AIがもっともらしく埋めていないか
- 正式な手順や専門家の確認が必要な部分を、資料だけで済ませる形にしていないか
AIは、迷った理由までは自動で拾えない
AIは、資料の文章を整理することはできます。ただ、読んだ人がどこで止まったか、何を前提として知らないか、どの説明を自分の行動へ結びつけられなかったかは、元の資料だけでは分かりません。
ここは人間側で渡す必要があります。自分が迷った場所をメモする。可能なら、別の人にも読んでもらい、どこで質問が出るかを見る。その上でAIに、説明の順番、例え、確認事項、補足資料の構成を考えてもらう。
こうすれば、AIを「正しい文章を増やす道具」ではなく、「理解しにくかった場所を整える相手」として使えるかもしれません。
経験者向けと初めての人向けを、同じ資料に押し込まない
資料を作る時、読み手が誰なのかも先に決めたいです。すでに基本を知っている人には、要点や例外だけを補足する方が役に立つかもしれません。一方、初めて触れる人には、前提となる言葉、全体の流れ、何を確認するための資料なのかから必要になるかもしれません。
両方を一つの資料だけで満たそうとすると、どちらにも中途半端になることがあります。AIに頼む時も、「経験者向けに短く」と「初めての人が迷わないように」は、別の仕事として渡す方がよさそうです。
AIなら両方のたたき台は作れます。ただし、どちらを先に作るか、どこまで正式な確認が必要かは、人間側で決めなければいけません。
まずは、迷った箇所を集めるところから始めたい
今のところ、まだこの考え方で資料を作り直したわけではありません。
まずは講習資料や日々の説明文を読んだ時に、「ここで何が分からなかったか」を短く残すところから始めたいです。
- 初めての人向けに前提を補う案
- 経験者向けに要点だけ残す案
- 推測で書くべきではなく、確認事項に戻す案
をAIに分けて出してもらう。そして、人に見せる前には、その分野を知っている人や正式な資料で確認する。ここまで含めて初めて、AIを使った「分かりやすい資料づくり」になるのかもしれません。
まとめ
AIに「分かりやすくして」と頼む時、元の資料だけを渡しても、AIは人が迷った場所までは知りません。
だから、難しい言葉だけでなく、どの場面を想像できなかったか、どんな前提が抜けていたか、何を確認すればよいか分からなかったかを残しておきたいです。そのメモがあれば、AIは文章を整えるだけでなく、理解のつまずきを補う資料のたたき台を作りやすくなります。
ただし、専門的な教育や安全に関わる内容では、AIのたたき台を正式な判断や手順の代わりにはしない。AIに任せる前に、自分がどこで迷ったかを残す。それが、資料を本当に使える形へ近づける最初の一歩になる気がしています。
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