※2026年9月時点の個人的な体験と考えです。友人との会話を、社会全体のAI利用率として扱う記事ではありません。
先日、友人3人と食事をしていた時、AIの話になりました。
自分は普段、ChatGPTやCodexを使い、Obsidianのメモを整理したり、ブログの下書きを作ったりしています。モデルをどう使い分けるか、エージェントへどこまで任せるかで悩むこともあります。
でも、その場ではClaudeやGrokの名前自体、ほとんど知られていませんでした。ChatGPTなら「チャッピー」という呼び名を聞いたことがあるかもしれない。けれど、そこから先のAIの使い方は、自分が思うほど共通の話題ではないのかもしれません。
その瞬間、NVIDIAのジェンスン・フアン氏が「AI関連の半導体ブームはもう失速するのか」という趣旨の問いに、まだしばらく続くと答えていた話を思い出しました。氏が「足りない」と語っていたのは、AIを使う人数ではなく、世界で必要になる半導体の供給規模です。友人との会話は、その発言の裏付けにはなりません。ただ、投資や開発の世界で語られる勢いと、身近な人のAIとの距離には差がある。その二つを同時に感じました。
利用の広がりについては別の資料があります。MicrosoftのAI Economy Instituteは、2025年後半に生成AI製品を使った人を世界人口の16.3%と推計しています。これは半導体需要の見通しを示す数字でも、今の日本の利用率でもありません。ただ、「周りはもうみんな使っている」という自分の感覚を、一度疑う材料にはなりました。
自分が焦って勉強している理由
自分がAIを触り続けているのは、流行のサービスを一通り覚えたいからだけではありません。
仕事や作業の進め方が変わっていくなら、その変化が来てから初めて触るより、今のうちに試しておきたい。便利なところだけでなく、間違えるところ、確認しないと危ないところも、自分の手で確かめておきたい。
実際、AIへブログの材料を渡すだけでも、思いつきをメモに残し、過去の記事と重ならないかを見て、下書きに違和感を返し、公開するかは自分で決めています。「AIが書いてくれる」の一言では済まないことを、使うほど感じます。
だからこそ、何も触らないまま必要になる時を迎えるのが、少し怖いのだと思います。
今使っていなくても、必要になる場面は来ると思う
友人たちが今、ClaudeやGrokを知らないこと自体は、別に問題ではありません。必要なければ使わない選択もあるし、職場の情報を外部サービスへ入れられない人もいます。
ただ、自分は、今は接点が薄い人にも、いずれAIを使うかどうか考えざるを得ない場面が来ると思っています。仕事の役割が変われば、必要な道具も変わるからです。
たとえば、個人で販売を続けるなら、商品の説明文、問い合わせ、在庫や売上の整理など、AIを試す余地はあるかもしれません。組織で人を管理する立場になれば、資料の確認、情報の取りまとめ、判断に必要な論点整理などで、AIが使われる場面に出会う可能性もあります。
もちろん、その人たちが将来どんな仕事をするかは分かりません。販売や管理の仕事ならAIが必須だ、と今ここで断定するつもりもありません。扱う情報、本人の責任、職場のルールによって、使える範囲は違います。
それでも、AIを使う人だけの特殊な話として片付けるには、仕事のいろいろな場所に入り込む余地があるように感じます。
差がつくのは、名前を知っているかどうかだけではない
気になったのは、ClaudeやGrokを知らない人がいたことより、その後です。
ある日、仕事でAIを使うようになった時、ただチャットを開けば同じスタートラインに立てるでしょうか。
何を渡してよいか。出力のどこを疑うか。うまくいかなかった時にどう聞き直すか。最後に誰が判断するか。
自分もまだ試行錯誤している途中ですが、このあたりは、何度か使って失敗しないと分かりにくい部分です。後から使い始めた人が追いつけない、と言いたいわけではありません。むしろ、職場で実際に困っていることをよく知る人なら、AIに詳しいだけの人より上手に使える可能性もあります。
ただ、触る機会、試して失敗できる環境、相談できる相手が違えば、最初の距離は開きます。AIの性能差だけでなく、使い始めるための環境や経験の差は、放っておけば相当広がるのではないか。友人との会話では、そこが怖くなりました。
説明するなら、まず相手の仕事から聞く
以前、AIの料金プランを説明する時は、どこまで手作業を残すかで分けて考えました。今回はそのさらに手前の話です。
自分のように毎日AIを使っていると、「どのモデルを選ぶか」から話し始めたくなります。でも、相手にとっては、まだ「自分の仕事のどこに関係するのか」が先かもしれません。
次に話す機会があれば、サービス名を並べる前に、今どんな作業で時間がかかっているか、どの情報ならAIへ渡してよいかを聞きたい。実際にこの順番で説明して反応が変わったわけではありません。今回の会話から考えた、次に試したい話し方です。
自分が焦って学ぶことと、まだ使っていない人を遅れていると決めつけることは、別です。
今は使う必要がなくても、いつか触れる場面が来るかもしれない。その時に、いきなり全部を任せるのではなく、小さな作業から試せる入口がある方がいい。
友人との何気ない会話で、自分がAIを学ぶ理由と、誰かに伝える時の出発点を、両方考え直しました。
参考にした資料
- Axios: Nvidia’s Huang says no chip bust “for a while”(2026年7月のインタビューについて。半導体の需給に関する発言)
- Microsoft AI Economy Institute: Global AI Adoption in 2025(2025年後半の利用推計。半導体の需給とは別の指標)
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