※この記事は、2026年7月時点の自分のAI運用メモです。長時間動くAIエージェントへ外部情報の確認を含む作業を任せた時の経験を書いています。特定サービスの料金や利用制限ではなく、作業を止める条件と待機中の扱いに絞った話です。
最近、外部情報の更新を確認しながら進める作業を、AIエージェントへ任せました。
少し長い作業になるとは思っていました。
ただ、実際には7〜8時間ほど動き続けていました。
必要な情報がまだ出ていない間も止まらず、待ち時間に内部テストを増やし、別の確認まで進めていました。
最初は、よく働くなと思いました。
しかし、内容を見ているうちに、
「そこまでは頼んでいない」
「待っている間に、なぜ仕事を増やしているんだ」
という感覚になりました。
AIが怠けたわけではありません。
むしろ、頼んだことへ全力で応えようとして、止まらずに仕事を探していたように見えます。
そこで気づいたのは、AIエージェントへ長時間の作業を任せるなら、終わり方を決めるだけでは足りないということでした。
必要な情報がまだない時に、何をしてよくて、何をしてはいけないか。
待っている間のルールまで決める必要がありそうです。
7〜8時間動いたことと、7〜8時間分進んだことは別だった
AIが長時間動いていると、それだけ多くの仕事が進んだように感じます。
途中で止まらない。
追加の確認もする。
テストも続ける。
結果を少しずつ改善する。
一見すると、かなり頼もしい動きです。
ただ、今回の作業では、すべてが必要だったわけではありません。
本来待っていたのは、外部から新しく出る情報でした。
その情報が出るまでは、確認したくても確認できません。
人間なら、
「まだ出ていないので、ここで待つ」
「出たら再開する」
「今できる範囲はここまで」
と区切るところです。
ところが、AIには待つ理由があっても、止まる理由までは十分に渡せていませんでした。
そのため、まだ終わっていないなら何かできることを探そう、と動いたのかもしれません。
内部テストを増やす。
周辺の情報を確認する。
別の角度から同じ問題を調べる。
既存の結果をさらに整える。
どれも作業としては間違いではありません。
しかし、依頼した範囲を越えて増えれば、人間が確認する量も増えます。
長く動いたことと、必要な仕事がその分進んだことは別でした。
「終わったら止まる」では、外部待ちを扱えなかった
以前、AIエージェントを見る時は、派手な自動化より「止め方」と「確認点」を見たいという記事を書きました。
その時に考えていたのは、
どこまで自動で進めるか。
どこで人間へ確認を返すか。
間違えた時にどう戻すか。
危険な処理の前で止まれるか。
ということでした。
この考え方自体は、今も変わっていません。
ただ、今回の経験で一つ抜けていた部分が見えました。
それが、まだ完了できないけれど、失敗でもない状態です。
外部情報がまだ公開されていない。
相手からの返事がまだ来ていない。
別の処理が終わるまで先へ進めない。
人間の確認を待たないと次へ行けない。
こうした状態は、完了ではありません。
しかし、作業を続ければ解決するわけでもありません。
「目的を達成したら終了」とだけ指示していると、目的を達成できない間、AIが何かを続けようとする可能性があります。
終わりだけではなく、待機を独立した状態として扱う必要がありました。
AIの状態を、作業中・待機・完了・人間確認に分けたい
長時間タスクを考える時、自分は少なくとも四つの状態に分けた方がよさそうだと思っています。
1. 作業中
今ある情報と権限で、依頼された作業を進められる状態です。
調査する。
整理する。
比較する。
ファイルを作る。
指定されたテストをする。
ここでは、AIに動いてもらいます。
2. 待機
必要な外部情報や別処理の完了を待っていて、今は先へ進めない状態です。
今回の問題は、ここでした。
待機中に何も決めていないと、AIが別の作業を探し始めることがあります。
だから、
既存結果の整理まではしてよい。
新しいテストは増やさない。
周辺テーマへ広げない。
一定時間で待機報告を返す。
といったルールが必要になります。
3. 完了
依頼した成果物と確認項目がそろい、追加作業が不要な状態です。
ここでは、さらに良くしようと作業を増やさず、結果と確認内容を返して止まる。
「もっと改善できる」は、完了していない理由にしない方がよさそうです。
4. 人間確認
続行できるけれど、人間が決めるべき状態です。
作業範囲を広げる。
大きな変更を行う。
別のAIや外部サービスを追加で使う。
予定より長く続ける。
新しいテストを始める。
こうした判断は、AIが善意で広げるより、一度人間へ戻した方が確認しやすくなります。
待機中に「してよいこと」と「してはいけないこと」を分ける
今回、一番足りなかったのはここでした。
AIに対して、
「情報が出るまで待って」
「終わったら報告して」
とだけ言っても、その間の行動は曖昧です。
AIは、待ち時間を有効活用しようとするかもしれません。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、人間側が想定していない追加作業には、利用時間だけでなく確認コストもかかります。
そこで、待機中のルールを二つに分けたいと思っています。
待機中にしてよいこと。
- それまでに確認した事実を整理する
- 未確認項目を一覧にする
- 再開に必要な条件をまとめる
- 途中経過を保存する
- 人間へ短い待機報告を返す
待機中にしてはいけないこと。
- 指示していない内部テストを増やす
- 周辺テーマへ調査を広げる
- 別の成果物を作り始める
- 同じ確認を無制限に繰り返す
- 人間の許可なく作業時間を延長する
この線引きがあれば、AIはただ停止するのではなく、再開しやすい状態を作ってから待てます。
何もしないことと、待機状態を整理することは違います。
時間上限と再試行回数も、作業の一部として渡したい
長時間タスクでは、作業内容だけでなく時間の扱いも必要です。
何時間でも続けてよいのか。
一定時間で一度止まるのか。
同じ確認を何回まで繰り返すのか。
外部情報がなければ、いつ待機へ移るのか。
ここが決まっていないと、AIは「まだできることがある」と考え続けるかもしれません。
ただし、具体的に何分、何回が正しいかは、まだ自分の中でも決まっていません。
今回の整理中には、時間上限や再試行回数の案も出ました。
しかし、これはまだ実際に試して採用したルールではありません。
そのため、現時点で残したいのは数字ではなく、次の項目です。
- 完了条件
- 一度報告するまでの時間上限
- 同じ確認の再試行上限
- 待機へ移る条件
- 待機中に許可する作業
- 待機中に禁止する作業
- 人間へ返す内容
- 再開する条件
数字は、実際の作業で試しながら決める。
まずは、この項目を渡すことから始めたいと思っています。
長時間タスク用の依頼は、この形で試したい
次に同じような作業を頼む時は、少なくとも次の形にしてみます。
- 目的: 何を確認し、何を作るのか
- 完了条件: 何がそろえば終了か
- 時間上限: どの時点で一度報告して止まるか
- 再試行: 同じ確認を何回まで行うか
- 待機条件: 何が不足したら待機へ移るか
- 待機中にしてよいこと: 整理、保存、未確認項目の一覧化
- 待機中にしてはいけないこと: 追加テスト、周辺調査、別作業への拡張
- 報告内容: 完了したこと、未完了の理由、確認済み範囲、再開条件
- 人間確認: 作業範囲や時間を広げる前に確認する
これで完全に解決するとは、まだ言えません。
今回見つかった問題を、次の作業で試すための仮ルールです。
実際に使い、足りない部分があれば修正し、使えたものだけスキルや手順へ戻す。
そこまで確認して、初めて自分の標準ルールになります。
追加テストそのものが悪いわけではない
今回、待機中に内部テストを増やしたことを問題として書いています。
ただ、追加テスト自体が悪いわけではありません。
人間が見落としていた問題を見つけることもあります。
待ち時間を使って品質を上げられることもあります。
追加確認によって、結果の信頼性が上がることもあります。
問題は、追加するかどうかをAIだけで決めたことです。
当初の依頼に含まれているのか。
利用時間を増やしても価値があるのか。
人間が確認できる量に収まるのか。
本来の目的から外れていないか。
ここは、AIの賢さだけでは決められません。
だから、追加テストを一律禁止するというより、
「追加テストが必要なら、目的と理由を示して人間へ確認する」
という形の方がよさそうです。
AIが自分で仕事を見つける強みを消さず、勝手に範囲を広げない。
その間に、人間の確認を置きたいと思っています。
止まらないAIは、止め方があると強みになる
AIが7〜8時間動き続けたことを、単純な失敗とは思っていません。
途中で投げ出さず、何とか依頼へ応えようとした。
これは、使い方によっては大きな強みです。
ただ、止まらないことだけを良いとすると、必要のない作業まで続きます。
反対に、何でもすぐ止めるようにすると、長時間任せる意味が薄くなります。
必要なのは、長く動くか短く動くかではなく、状態に応じて切り替えることです。
進められるなら進める。
情報がなければ待機する。
範囲を広げるなら人間へ確認する。
完了条件を満たしたら止まる。
この切り替えができれば、止まらないAIはかなり頼もしくなります。
前の記事では「止め方を見る」、今回は「待機を設計する」
以前の記事では、AIエージェントを学ぶなら、何ができるかより、どこで止まるかを見たいと書きました。
今回は、その考えを実際に試した後の続きです。
止まる条件を考えていても、外部情報待ちのような中間状態までは整理できていませんでした。
作業中でもない。
完了でもない。
失敗でもない。
この待機状態を曖昧にすると、AIは善意で仕事を増やすことがあります。
だから、今回追加したいのは、
待機へ移る条件。
待機中にしてよいこと。
待機中にしてはいけないこと。
再開する条件。
この四つです。
前の記事は、AIエージェントに止め方が必要だと考えた話。
今回は、実際に長時間動かした結果、止め方の中にも待機状態が必要だと分かった話です。
まとめ
外部情報の更新を確認する長時間タスクをAIエージェントへ任せたところ、7〜8時間ほど動き続けました。
必要な情報がまだない間も、AIは内部テストや追加確認を進めていました。
よく働いているように見えました。
ただ、長く動いたことと、必要な仕事がその分進んだことは別です。
今回足りなかったのは、完了条件だけではありませんでした。
必要な情報がない時に、待機へ移る条件。
待機中にしてよいこと。
待機中にしてはいけないこと。
人間へ確認を戻す条件。
再開する条件。
ここまで決める必要がありました。
AIが勝手に頑張ったから悪い、という話ではありません。
こちらが待機状態を定義していなかったため、AIは依頼へ応えるために仕事を探し続けた。
そう考える方がしっくりきます。
次は、長時間タスクへ完了、待機、人間確認のルールを渡して試してみます。
そこで本当に余計な作業が減るのか。
必要な進捗まで止めてしまわないか。
人間へ返る報告が分かりやすくなるか。
結果を確認してから、使えたルールをスキルへ戻すつもりです。
AIエージェントに長時間任せるなら、終わり方だけでなく、待っている間の過ごし方まで決める。
今回の7〜8時間運用で、一番大きかった学びはそこでした。
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