AI動画の尻尾だけ直したかったので、手元のPCで合成することにした

AI動画生成

※2026年10月に、自分の環境で行った短いAI動画の修正記録です。動画生成AI全般の性能評価ではなく、今回の素材と方法で起きたこととして書いています。

AIで動画を作っていると、「ここだけ直してほしい」という場面が出てきます。

今回困ったのは、キャラクターの尻尾でした。別のキャラクターが尻尾をくわえて引っ張る場面で、途中から尻尾が二股に見えてしまう。

直したいのはそこだけです。体の映像まで全部作り直したいわけではありません。

ただ、開始画像の尻尾を一本に直してから動画を生成しても、途中で余計な枝が戻ってきました。最初の一枚が正しくても、動いている間まで同じ形を保てるとは限らなかったわけです。

そこで今回は、生成し直すのではなく、尻尾だけを別パーツとして最後に合成する方法を試しました。今回の部分修正は、サブスク型の動画サービスへ任せるのではなく、手元のPCで処理しています。

元の動画や素材を作った工程、AIに相談した工程まで、すべてローカルだったという話ではありません。ここでいうローカルは、素材を用意した後のレンダリング、合成、動画の書き出しです。

尻尾を直すために、全身を作り直す必要はあるのか

以前、見た目を安定させるため、AIにBlenderでキャラクターの3Dモデルを作ってもらいました。しかし、立体にはなっても、元のキャラクターと同じには見えませんでした。

今回も、引っ張られる動きを安定させるなら、全身のモデルを別に作る必要があるのかと考えました。

ただ、それでは尻尾一本を直すために、顔、体、毛並み、動かし方まで作り直すことになります。以前止まった工程へ、もう一度戻ることにもなる。

そこでAIと相談し、全身ではなく、まず尻尾だけを別素材にする方向へ切り替えました。

元の動画の体の動きは残す。余計に生えた部分を消し、一本の尻尾を上から重ねる。その根元は体側へ、くわえられた部分は相手の口元へ合わせる。

変える対象を、動画全体から一部分へ小さくした形です。

手元のPCで「ほかは変えない」を工程にした

画像や動画を直す時、自分はよく「ここだけ変えて、ほかはそのままで」と頼みます。

ただ、今回の動画生成では、その希望だけで途中の形まで固定できませんでした。

合成なら、元の動画を土台にして、必要な場所へ修正した素材を重ねられます。もちろん、不要な枝を消した跡や重なり方の調整は必要です。それでも、体の演技まで新しく生成し直す依頼にはなりません。

AIには、この合成に使う素材や処理のコード作成も手伝ってもらいました。尻尾の形を用意し、映像に重ねる素材として描き出す部分にはBlenderを使っています。その後、Pythonで元の映像へ合成し、FFmpegで動画として書き出しました。

こうした修正処理を、手元のPCで実行しています。サブスク型の動画サービスで完成品を生成してもらうのとは違い、残す映像と重ねる素材を分けて扱う形です。

位置や境目を調整して、もう一度描き出す。直したい範囲を見ながら、必要な処理をやり直す。今回は、そのための仕組みをAIに手伝ってもらいました。

AIを使うのをやめたのではありません。AIに動画をもう一度生成させる仕事から、既存の動画を部分的に修復する仕事へ変えました。

そして、合成した結果を再び動画生成へ戻さず、最後の修正として残しました。同じ生成工程へ戻してしまうと、直した形をまた描き直される可能性があるからです。

短いカットでは直せた。でも、動画全体はまだ完成していない

今回の修正対象は、約1.6秒の短いカットです。

修正後の画像確認では、途中で増えていた枝がなくなり、尻尾が一本につながる見え方になりました。別のAIによる確認でも、尻尾部分は採用候補と判断されています。

ただ、根元には少し合成感が残っています。元の脚の動きや、引っ張る演技まで自然になったわけでもありません。

その後、修正カットを既存素材とつなぎ、約18.6秒の通し確認版も作りました。保存された確認記録では、そこでも尻尾の二股は再発していません。

一方で、カットが切り替わるとキャラクターの質感が変わったり、最後の反応へ急につながったりする問題は残っています。

つまり、「尻尾の破綻を直す方法は見つかった」と「作品が完成した」は別です。今回前へ進んだのは、あくまで一つの修正箇所でした。

前は動きを省略した。今回は見せたい部分を残した

以前の記事では、歩行がうまく作れなかったので、歩く様子を全部見せず、「近づいてきた」と伝わるカットへ変えた話を書きました。

今回は少し違います。引っ張る場面の接触部分は、見せたい情報として残っています。その見た目を、生成へ任せ続けるのではなく、別パーツで制御する方法へ変えました。

難しい動きを省略するのか。それとも、見せたい箇所だけ別の方法で作るのか。

同じ動画でも、場所によって選び方を変えてよさそうです。

AIに直してもらう時、作り直す範囲も考えたい

今回の試作で感じたのは、出力に一つ問題があった時、毎回全体をAIへ投げ直す必要はないかもしれない、ということです。

全部を生成し直す。一場面だけを作り直す。一部分だけを別素材で直す。見せ方を変えて省略する。

「もう一度やって」以外にも、戻る場所はあります。

今回の方法が最短だったか、費用をどれだけ減らせたかは比較していません。合成にも位置合わせや境目の調整が必要でした。

それでも、尻尾一本のために全身の造形へ戻らず、直したい場所へ絞って試せたことは、自分には意味がありました。

ローカルで処理したから、一発で直せたわけではありません。それでも、動画生成サービスへ投げ直すだけでなく、手元のPCで直す選択肢も持てたことは、今後に使えそうです。

AIを使う時に考えるのは、何を作らせるかだけではなさそうです。直したい部分と、残したい部分を、どの工程なら分けられるか。

今後の動画制作でも、そこから修正方法を選んでいきたいと思います。

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