※この記事は2026年5月時点の実運用メモです。
※投資助言ではなく、AIに渡すコンテキストの作り方について考えた記録です。
※YouTubeなどの公開動画について、文字起こし全文を公開したり、発言を長く引用したりする話ではありません。あくまで自分用の視聴メモをどう扱うかの話です。
最近、AIに渡すコンテキストについて考えることが増えている。
Obsidianにメモを残す。
音声メモを文字起こしする。
rawを消さずに残す。
workbenchに使えそうな素材を分ける。
ブログ候補として育てる。
このあたりは、少しずつ形になってきた。
ただ、最近もう一つ感じたことがある。
コンテキストは、集めるだけでは足りない。
たくさん集めても、それを判断基準に変えないと、AIの答えは思ったほど鋭くならない。
きっかけは、あるテーマについて公開動画をいくつか見ながら、自分用の視聴メモを作ったことだった。
そのメモをAIに渡せば、かなり深い答えが返ってくるのではないかと思った。
専門家の話を見た。
気になる観点もメモした。
関連する話もいくつか入れた。
量としては、それなりに集めた。
それなのに、返ってきた答えはかなり無難だった。
悪い答えではない。
間違っているわけでもない。
むしろ、普通に見るとかなりまともだった。
でも、自分が期待していたような、
「そこを見るのか」
「その条件なら判断が変わるのか」
「この人の見方をそう使うのか」
という引っかかりは、あまりなかった。
今回は、その時に感じたことを整理しておきたい。
## 視聴メモを増やせば、AIの答えも鋭くなると思っていた
最初は、かなり単純に考えていた。
AIはコンテキストが大事。
だから、材料を増やせば答えもよくなる。
詳しい人の話を見て、その内容をメモして渡せば、AIも詳しく判断できるはず。
そんな感覚があった。
たしかに、材料が少ないよりは多い方がいい。
何も渡さずに聞くと、AIは一般論になりやすい。
これは最近ずっと感じている。
AI側が、こちらの状況や背景を勝手に分かってくれるわけではない。
どんなに優秀な人でも、何も知らない環境でいきなり「判断して」と言われたら難しい。
AIも同じで、材料がなければ一般論に寄る。
だから、コンテキストを渡すこと自体は大事だと思う。
ただ、今回やってみて分かったのは、量だけでは足りないということだった。
視聴メモをたくさん渡しても、AIが自動で「使える判断基準」に変換してくれるとは限らない。
## 返ってきたのは、正しいけれど無難な答えだった
AIから返ってきた答えは、決して悪くなかった。
むしろ、かなり正しい。
リスクを確認する。
一次情報を見る。
数字を確認する。
感情で動かない。
複数の条件を見て判断する。
結論を急がない。
どれもその通りだと思う。
ただ、自分が期待していたのは、もう少し具体的なものだった。
その人の見方を踏まえると、どこを見るのか。
どの条件なら判断を保留するのか。
どの情報が足りないのか。
どの指標を見れば考えが変わるのか。
何を確認できたら次の一手に進めるのか。
こういうところまで出てくると思っていた。
でも、実際にはそこまで刺さる感じにはならなかった。
ここで少し考えた。
これはAIが弱いというより、自分の渡し方がまだ粗かったのではないか。
視聴メモを増やしただけで、判断基準に変換する指示が足りなかったのではないか。
## 視聴メモは、そのままだと「材料の山」になりやすい
公開動画を見ながらメモを作ると、いろいろな情報が集まる。
話者の主張。
出てきた数字。
気になった言い回し。
関連するテーマ。
自分が引っかかったところ。
あとで確認したいこと。
よく分からなかった部分。
こういうものが混ざってくる。
これ自体は悪くない。
むしろ、最初は混ざっていていいと思う。
最初から完璧に整理しようとすると、メモを残すこと自体が重くなる。
ただ、そのままAIに渡すと、AIから見ると「材料の山」になりやすい。
どれが重要なのか。
どれが事実なのか。
どれが話者の意見なのか。
どれが自分の感想なのか。
どれを判断に使っていいのか。
どれは確認待ちなのか。
ここが曖昧なままだと、AIは無難にまとめるしかなくなる。
大量のメモを渡したのに答えが鋭くならない時、原因は情報量ではなく、情報の役割分けかもしれない。
## 必要だったのは、要約ではなく判断基準の抽出だった
今回いちばん感じたのは、AIに頼む内容を間違えていたかもしれないということだった。
自分は、どこかでAIに「分かってほしい」と思っていた。
この視聴メモを読めば、話者の考え方が分かるはず。
このテーマについて、AIも深く判断できるはず。
自分が迷っていることにも、何か鋭い答えを出してくれるはず。
でも、AIにとっては、ただのメモの束だったのかもしれない。
必要だったのは、いきなり結論を聞くことではなかった。
まず、判断基準を抜き出すことだった。
たとえば、こういう形だ。
この人は何を重視しているのか。
どの数字を見ているのか。
どんな条件では判断を保留しているのか。
強気になる時と慎重になる時の違いは何か。
確認すべき一次情報は何か。
自分のケースに当てはめるなら、どの項目をチェックすべきか。
ここまで分解してから、初めて判断に使える。
つまり、視聴メモをAIに渡す時は、要約より先に「判断基準の抽出」を頼むべきだったのだと思う。
## コンテキストは、使える形に変換して初めて効く
最近ずっと、AI時代にはコンテキストが大事だと考えている。
ただ、今回のことで少し見方が変わった。
コンテキストは、貯めれば勝手に効くわけではない。
集める。
残す。
仕分ける。
要約する。
ここまでは必要だ。
でも、それだけではまだ足りない場面がある。
判断に使いたいなら、判断基準へ変換する必要がある。
ブログに使いたいなら、記事の芯へ変換する必要がある。
仕事に使いたいなら、確認手順やチェックリストへ変換する必要がある。
投資のように間違えると痛いテーマなら、なおさら結論ではなく確認項目へ変換した方がいい。
AIに大量のメモを渡して、
「どう思う?」
と聞くだけだと、どうしても一般論に寄りやすい。
それよりも、
「このメモから判断基準を抜き出して」
「見るべき指標を表にして」
「確認できていないことを分けて」
「自分の感想と話者の主張を分けて」
「次に確認する一次情報を出して」
と頼む方が、使いやすい。
## AIに任せる単位を、もう一段小さくする必要があった
この話は、以前書いた「AIに任せる単位」の話にもつながる。
自分はつい、AIにまとめて頼みたくなる。
この大量のメモを読んで、いい感じに判断して。
このテーマについて、自分に合う答えを出して。
この人の話を踏まえて、どうすべきか教えて。
でも、これは少し大きすぎる。
今回必要だったのは、もっと小さい単位だった。
まず、視聴メモを素材ごとに分ける。
次に、話者の主張と事実確認が必要な内容を分ける。
次に、判断基準を抜き出す。
次に、確認項目へ変換する。
最後に、自分の状況に当てはめる。
この順番にすれば、AIも動きやすい。
自分も確認しやすい。
AIに投げる単位が大きすぎると、返ってくる答えも大きくて無難になりやすい。
逆に、単位を小さくすると、AIの答えは使いやすくなる。
今回の失敗感は、そこを教えてくれた気がする。
## 公開する時は、元メモそのものではなく気づきだけを出す
もう一つ大事なのは、公開する時の扱いだ。
公開動画を見て、自分用にメモを作ることはある。
ただ、そのメモをそのままブログに出すのは違うと思っている。
文字起こし全文を載せる。
長い発言をそのまま引用する。
動画の中身を代替するような記事にする。
有料や限定に近い内容を外へ出す。
こういうことは避けたい。
ブログにするなら、出すのは元メモそのものではなく、自分の運用上の気づきだ。
今回で言えば、
「視聴メモを大量に渡しても、判断基準に変えないとAIの答えは無難になりやすい」
という気づき。
動画の内容を再配布したいわけではない。
誰かの結論を自分の結論として使いたいわけでもない。
自分がAIにどう材料を渡し、どこでうまくいかなかったのかを整理したい。
ここを間違えないようにしたい。
## 次からは、視聴メモをテンプレに通してからAIに渡したい
今回の反省を踏まえると、次からは視聴メモをそのままAIに渡すのではなく、テンプレに通した方がよさそうだ。
たとえば、こういう形にする。
1. 話者の主張
2. 事実として確認が必要な内容
3. 出てきたテーマ
4. 重視している指標
5. 判断基準になりそうな部分
6. 判断を保留する条件
7. 自分のメモや感想
8. 次に確認する一次情報
9. AIに頼みたい作業
このくらいに分けておく。
そうすれば、AIに渡す時もかなり楽になる。
「このメモを読んでどう思う?」
ではなく、
「5と6を使って、自分用の確認チェックリストにして」
と頼める。
これなら、AIの答えも無難な感想ではなく、作業に使える形へ近づく。
コンテキストは、ただ置いておくだけではまだ眠っている。
使う前に、どの形へ変換するかを決める。
ここが大事なのだと思う。
## まとめ
AIに大量の視聴メモを渡しても、期待したほど鋭い答えが返ってこないことがあった。
でも、それはAIが弱いというより、自分の渡し方がまだ粗かったのだと思う。
視聴メモは、そのままだと材料の山になりやすい。
必要なのは、いきなり結論を聞くことではなく、判断基準を抜き出すことだった。
話者の主張。
確認が必要な事実。
重視している指標。
判断を保留する条件。
次に確認する一次情報。
こういうものに分けてからAIに渡すと、もう少し使いやすくなる気がしている。
コンテキストは、集めるだけでは足りない。
AIに読ませるだけでも、まだ足りない。
判断に使うなら、判断基準へ変換する必要がある。
今回の視聴メモ実験は、そのことをかなりはっきり教えてくれた。
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